こんにちは。
課題文を2割以下に要約する学習方法の一番の効果は論点を押さえるために有効であることだ、という趣旨の記事をアップしました。しかし、では、どうやって論点を押さえるのか、ということが問題になると思いましたので、その点についてアップしておきます。
結論から言うならば、評論文は何かについてどうであるかを書いてあるものですが、課題文中で、その何かについてどうであるかということは、大抵いくつか書いてあるものであり、そのうち最も多くの文字数が費やされているものが論点です。
よく、課題文の最初か最後に書いてあると言われますし、確かにそういうことも少なくありませんが、それでは博打です。最初に書いてあることは導入に過ぎないこともありますし、最後に書いてあることは、単なる付け足しであることもあります。
それに対して、最も多くの文字数が費やされているというのは博打ではありません。最も言いたいことなので、最も多くの文字数が費やされている、という至極単純にして強力な根拠です。しかし、意外にこのシンプルな理屈どおりに読むのは難しいようです。
ところで、論点は主題ではありません。主題は全体を通して「何について」書いてあるか、の「何について」の部分です。論点とは「何についてどうであるか」のこの述語部分の「どうであるか」を含んだ全体です。
この「何ついてどうであるか」を要約のメインに据えて、課題文の論理展開を要約の圧縮率に応じてある程度反映させることで、2割以下の要約を作成します。
ちなみに、2割要約は一般的な現代文入試対策として有効だ、と別の記事で述べてきましたが、2割以下要約は小論文対策として有効です。なぜなら、小論文で自分の意見を書く場合には課題文の論点を踏まえることが、絶対的な必要条件だからです。論点を外した小論文は、たとえそれがどんなに素晴らしい内容であっても評価は「0」です。